この体力のなさと疲れやすさは、実のところかなり問題だった。
というのも、私は大学卒業後に、音響、照明系の専門学校に通う予定になっていたからだ。
大学在学中、私は演劇サークルに入り、演劇活動に没頭していた。芝居の魅力に、文字通り取り憑かれちゃったのである。授業なんかそっちのけで、芝居、芝居。「将来の夢」は、北島マヤみたいな(古い)大舞台女優!!
ではなくて、裏方スタッフになりたかったのだ。
なかでも、芝居の音響が好きだった。
戯曲のその場面に合うような音楽、楽曲を探してきて、何曲か選び、稽古場でかけてみる。と、途端にその場に、日常とは違う劇空間の空気が現れ、漂い出す。役者たちの演技もそれにのる。音楽による効果、「音効」でである。それがとても、面白かったのだ。
なんでか、私は曲の選定が上手かった。その場にしっくりとくる曲を探してくるのが、得意。何しろ私はこれを、小学校の頃の「おしばい発表会」の頃から、やっていたのだ。兄の持っていたアニメのサントラレコードを拝借し、テープに落としてかけてみたのが最初だった。忘れもしない、宮崎アニメ『風の谷のナウシカ』のなかの一曲であった。筋金入りである。
演劇の世界で、生きてゆきたい・・・!
それも音響スタッフとして。それが私の「将来の夢」だった。そのためにも、卒業後は専門学校へ行こう、と思い、学校も早くに決めていた。
そこへ持ってきて、この体力のなさ、疲れやすさが出てきたのである。
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