奥野井 タリカ

仕掛けられたうつ(chaptor3)

8-3 かつて「やたらと人死にが出た」農薬

農家の人たちが、農薬の身体への影響を知らなかったはずはない。散布のとき一番近くにいて、全身に浴びるのは彼ら農家の人たちなのだ。そうして深刻な健康被害にも最っ先に襲われた。別の農家の青年はこう言う。『「俺たちはよ、農薬っちものを、甘く見てたん...
仕掛けられたうつ(chaptor3)

8-2 「複合汚染」とは?

ちなみに、タイトルにもなっている「複合汚染」という言葉について、有吉佐和子は次のように書いている。『複合汚染というのは学術用語である。2種類以上の毒性物質によって汚染されることをいい、2種類以上の物質の相加作用および相剰作用が起こることを前...
仕掛けられたうつ(chaptor3)

8-1 有吉佐和子『複合汚染』を読む

「化学物質でうつになる」と、前の章chapter2でしつこい程繰り返したのですが、でもそれって本当にそうなの? 化学物質過敏症の人だけがそうなんじゃないの? と思われる方も多いのではないだろうか。なのでこのchapter3では、出来うる限り...
仕掛けられたうつ(chaptor2)

7-17 突破口

ある日、母と珍しく口論になった。その頃私の体調は、相当にひどい状態になっていた。過敏症状の他に、謎の「発作」まで起きるようになっていた。突然身体がずしりと重くなり、何をどうやっても身体が動かない、という状態が2~3時間続く。いよいよヤバくな...
仕掛けられたうつ(chaptor2)

7-16 父と母の思い込み

このことがやっとわかって、一つ大変に良いことがあった。家族の、私の父と母の誤解が解けたのだ。私が化学物質過敏症という病気だ、ということは両親も理解していた。だから排気ガスに私が激しく反応するようになると、横浜から東京M市のこの家に引っ越しま...