仕掛けられたうつ(chaptor2) 7-9 舞い散る”化学物質” とにかくそこからは必死だった。必死の網渡りのような会話になった。何とか言葉をひねり出した。「・・・」と失語になりそうな頭をぎゅうぎゅうと絞って、揮身の力で言葉を出す。それを超高速で、自分としては物凄いフル回転でこなさなければならない。でない... 2024.02.19 仕掛けられたうつ(chaptor2)
仕掛けられたうつ(chaptor2) 7-8 ファミレスでの異変 ベランダの洗たくロープで猛烈に自殺したくなった、その前日のこと。私は友達と会って、外でお茶したのだった。10代の頃からの友達で、このときはわたしが体調が今一つということもあり、彼女がうちの最寄りの駅まで訪ねてきてくれていた。駅前で、さあどっ... 2024.02.14 仕掛けられたうつ(chaptor2)
仕掛けられたうつ(chaptor2) 7-7 思いがけない一言 あなたそれ、化学物質のせいよ電話の向こうでSさんが、きっぱりとした声で言った。えっ、化学物質??そう、化学物質の影響で死にたくなるのよSさんは、その頃私がよく相談していた、化学物質過敏症(CS)患者支援団体の相談員の人だ。いつ電話をしても、... 2024.02.08 仕掛けられたうつ(chaptor2)
仕掛けられたうつ(chaptor2) 7-6 これは私の感情なのか? しかし。「思う」のと「やる」のとは違う。「死にたい」と思うのと実際に「自殺する」との間には、なおかなりの距離がある。あるはずだった、少なくとも私の場合は。だから、これほど日常的に死にたい死にたいと思っていた私でも、実際にそうしようと具体的に... 2024.02.05 仕掛けられたうつ(chaptor2)
仕掛けられたうつ(chaptor2) 7-5 逃げられない絶望 逃げろ。逃げ出せ。唯一の方法はやはり、それしかないように思えた。このゴミ焼却施設に囲まれた空気圏 ―実はやや遠くにもう一つ焼却施設があったのだ! しかもこっちの団地がどんぴしゃ風下に当っていた― から脱出すること。それしかない。この急速な過... 2024.02.01 仕掛けられたうつ(chaptor2)