物語

CS三界に家がない!

9-11 求ム!山奥ポツンな家

あっ。確かに母の言う通りだった。CSゆえ他の人と御一緒、というのは極めて難しい。ということは、どこかの家の間借りをする―離れとか2階の一室だけ借してもらう―というのも基本無理ということだ。うう、駄目か。  他にも、父方の祖母の家、とか、友人...
CS三界に家がない!

9-10 あっちもこっちも…(どこもかしこも)

じゃあどうする?どこへ逃げればいい? 東京M市のこの家はごみ焼却場が近くにあって駄目、でもN 県にある父の別荘だってりんご畑の農薬散布がある。 親戚の家ももう駄目だった。一度母の姉、叔母の家に居候させてもらったのだが、今度は水道水の塩素に激...
CS三界に家がない!

9-9 逃げたいがそこには…

この家にはもういられない。 どこかへ逃げなければならない。 てっとり早く逃げるのなら、N県にある、父がバブル期に建てた別荘があった。丘の中腹に建つ、20坪ほどの小さな家が。 しかしそこには大きな問題があった。果樹園(りんご)があるのだ。それ...
CS三界に家がない!

9-8 もう、いい。

ところが住み続けるうち、何かじわりじわりとこたえるようになってくる。臭いもないし、車の排気ガスのようなモウモウとした感じもないのに、何かおかしい。何かもっと、細かい粒子のものが、身体の中まで、奥のずっと芯の方まで、入り込んでくる。身体の隅々...
CS三界に家がない!

9-7 ヘンな空気

今から思うとバカみたいだが、当時の私は「自分の脳がやられている」なんて一度も考えたことはなかった。うつも意識障害の発作も始まっていたのに、それが脳に起因するとう知識がなかったのだ。CSは、「アレルギーのひどいやつ」であり、症状は皮フとか鼻や...
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