物語

CS三界に家がない!

9-33 私だって働きたい

家の裏のりんご園の農薬から逃れるべく、N県を脱出、そうして何だかあっという間に伊豆半島の突端、静岡県は下田市まで来てしまった。流れ流れて~南国下田。アパートの引っ越し荷物が大体片付くと、私はさっそく周辺の散策に出た。てくてく歩きながら、自分...
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9-32 北国から南国へ

というわけで、荷物をギュウギュウに満載した車が出発。目指すは南国、静岡県は下田市。運転する父は、カーブを曲がるたびに「車が重い!」と声を上げた。そりゃそうだ、ほとんどこれは引っ越し車、なんだから。高速を走り、御殿場インターを越えた辺りから、...
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9-31 父のリタイア

何とかかんとか、N県から東京М市まで戻ってきた。ほとんど決死行だ。そしてさあいよいよ明日は、ここも脱出し静岡県下田へ向かう。夜になって、父も帰宅してきた。「ただいま~」と言いながら出迎ると、父も「何とか無事に帰れたか」とややホッとした様子。...
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9-30 自宅への決死行

まるで夜逃げじゃん!!そう思った途端、何だか笑いが込み上げてきた。どこをどう見たってこれは、夜逃げの車。今や車の内は、ありとあらゆる荷物でギュウギュウのぱんぱんだった。トランクはもちろん後部座席まで、布団やら何やらの私の荷物がめいっぱい詰め...
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9-29 シモダって何処?

「決めてきたぞ。下田だ。来週には下田に移ることになる」東京の父から、N県にいる私にそんな電話がかかってきたのは、4月の上旬頃だった。下田、といわれてもそれがどこのことか、恥ずかしながら最初はさっぱりわからなかった。シモダ?下田? えーとそれ...