世界の縁に立つ 世界の縁に立つ-私の化学物質過敏症 その11 感染拡大で、人々が一勢にマスクを着用し始めたとき、私は奇妙なある感覚を覚えた。CS患者はもともと、マスク常用者だった。嗅覚過敏があり、人より何十倍も強くにおいを感知してしまうので、マスクなしでは通りも歩けない。いつも顔の半分を大きなマスクで... 2022.12.22 世界の縁に立つ
世界の縁に立つ 世界の縁に立つ-私の化学物質過敏症 その10 絶海の孤島に一人流されたと思っていたのに、何やらこのところ、こちら側にやって来る人がやけに多い。あちらの「世界」や「社会」から、ぽろぽろと転がり落ちてきた人が、ほうほうの呈でこの島に、「こちら側」にやってくる。それは、CSばかりではなかった... 2022.12.17 世界の縁に立つ
世界の縁に立つ 世界の縁に立つ-私の化学物質過敏症 その9 私は、遠い向こう岸に見える街を、じっと眺めている。時間は夕暮れどきで、遠くに見えるその街には、ぽつぽつと灯りがともり始めている。きれいで、華やかで、そして賑やかなその灯り。その下にはたぶん、人が大勢いて、それぞれが活動して、活気に満ちている... 2022.12.15 世界の縁に立つ
世界の縁に立つ 世界の縁に立つ-私の化学物質過敏症 その8 発症してまだ日も浅い、あるとき。急に一瞬にして、と思った、というか理解したことがある。完全にばっきりわかれたな・・・この「わかれた」は、「分かれた」であり、また「別れた」でもある。つまり自分のいるところと、友人知人、親類縁者一同のいるところ... 2022.12.13 世界の縁に立つ
世界の縁に立つ 世界の縁に立つ-私の化学物質過敏症 その7 それからの約3年間は、見ようによっては実にハランバンジョーな日々になった。引っ越しに次ぐ引っ越し、家移りに次ぐ家移りの連続である。住まいを転々と変えたこと、実に7回。そのうちの3回は、家族ごとの大々的な引っ越しになった。これはCS患者にはさ... 2022.12.11 世界の縁に立つ