世界の縁に立つ

世界の縁に立つ-私の化学物質過敏症 その8

発症してまだ日も浅い、あるとき。急に一瞬にして、と思った、というか理解したことがある。

完全にばっきりわかれたな・・・

この「わかれた」は、「分かれた」であり、また「別れた」でもある。つまり自分のいるところと、友人知人、親類縁者一同のいるところとは、今や完全に分離し、ばっきりとわかれてしまった、ということだ。私と彼らとの間に、突然巨大なお城の堀割のようなものがゴゴゴゴ・・・と現れてきて、完全にその間を断ってしまった、という感じか。

出典:Arizona Geological Survey

私は今、ここにいる。しかし友人知人親類縁者一同は、向こう側にいる。自分が立つこの岸と、みんなのいる向こう岸のその間には、深くて黒い水を満々とたたえた、超えるのもちょっと難しそうな巨大な掘割がある。そう思った。

橋が掛かることはあるかもしれない。が、私がその橋を渡って向こう岸へ行くことは、多分もう出来ない。なぜなら向こう岸には、「化学物質」があるからだ。農薬があり、香料があり、合成洗剤があり、消毒剤、煙草、床ワックス、等々がある。そしてそれらを吸い込むと私の身体は、たちまち頭痛、吐き気、脱力、悪寒、最悪な場合は呼吸困難、等々の症状に一気に襲われる。どんなに向こう岸へ行きたいと、帰りたいと希っても、もう無理なのだ。

第1章をイッキ読み

第1章の全文掲載完了に伴い、日々のブログ記事を1ページにまとめたイッキ読みのページをご用意させていただきました。
長文となりますがご興味をいただけましたら、お読みいただけましたら幸いです。

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奥野井タリカ 私の化学物質過敏症(CS)

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