CS三界に家がない!

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9-12 お父さんが鍵

とはいえ、すぐに「家を建てる」なんてことが出来るはずもない。そして私は、とりあえず一日でも早くこっから逃げ出さなきゃいかん状態にある。まずは、緊急避難だ。夜な夜な、母と二人で小声でヒソヒソ、ボソボソと「逃げ先」を検討する日が続いた。父には内...
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9-11 求ム!山奥ポツンな家

あっ。確かに母の言う通りだった。CSゆえ他の人と御一緒、というのは極めて難しい。ということは、どこかの家の間借りをする―離れとか2階の一室だけ借してもらう―というのも基本無理ということだ。うう、駄目か。 他にも、父方の祖母の家、とか、友人の...
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9-10 あっちもこっちも…(どこもかしこも)

じゃあどうする?どこへ逃げればいい?東京M市のこの家はごみ焼却場が近くにあって駄目、でもN 県にある父の別荘だってりんご畑の農薬散布がある。親戚の家ももう駄目だった。一度母の姉、叔母の家に居候させてもらったのだが、今度は水道水の塩素に激しく...
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9-9 逃げたいがそこには…

この家にはもういられない。どこかへ逃げなければならない。てっとり早く逃げるのなら、N県にある、父がバブル期に建てた別荘があった。丘の中腹に建つ、20坪ほどの小さな家が。しかしそこには大きな問題があった。果樹園(りんご)があるのだ。それもかな...
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9-8 もう、いい。

ところが住み続けるうち、何かじわりじわりとこたえるようになってくる。臭いもないし、車の排気ガスのようなモウモウとした感じもないのに、何かおかしい。何かもっと、細かい粒子のものが、身体の中まで、奥のずっと芯の方まで、入り込んでくる。身体の隅々...