仕掛けられたうつ(chaptor3)

8-13 都会にも「農薬」はあります。

「農薬でうつになる」

ということは、ここまで調べてみた結果、かなり「そうだ」と言えそうだ。

農業従事者にうつ病の人が多く、ときに自殺に至るケースが多いことは、日本でも世界でも同じことが起きているわけである。難解な統計学的計算としても、つねに「農薬」と「うつ病」との相関性は「高い」という結果が出る。何十年にも渡っておびただしい、悲惨な被害者を出してようやく、「状況証拠」が積み重ってきたのだ。「農薬でうつになる」は決して、嘘でも一部の人の思い込みでも何でもない。事実なのだ。

にも関わらず、私たち一般人にこの事実が知れ渡っていないのはハテどういうわけか。

「農薬でもうつになるんだってよ」

なんて話、一度だって耳にしたことがあるだろうか?

一つには、マスコミがなかなかこのことを報道しようとしないことがある。

しかしもう一つには、私たちがどこかで、次のように思っているからかもしれない。

「いやだって、私はべつに農業従事者じゃないし。会社勤めだし。家の近くにも田畑なんてほとんどないし…」

「農薬」というものは、どこか遠くの田舎、農村部のごく一部の地域で使われているもの、とそう思っていないだろうか。

しかし。ちょっと嫌ァ~なこと書くけれど、それが結構そうでもないんである。田畑のない都市部であっても、農薬-つまり殺虫剤の類-は、思った以上に多くの場所で使われている。

まず公共の乗り物だ。

電車やバスの車内には、「消毒」と称して定期的に殺虫剤や殺菌剤が散布されている。車内に虫やダニ、ゴキブリなどを発生させないようにである。

同様に、会社などの建物内でも、定期的に殺虫剤による「消毒」が行われている。役場や市役所等の公共施設、劇場やホール、そして病院は特にそうである。食料品を扱うスーパーや飲食店ももちろん、念入りに殺虫剤消毒を行っている。(ゆえに化学物質過敏症患者は、これらの建物に入れないか、入ると大変苦しむことになる)

自宅なら安全か? といえばそれもそうでもない。

一戸建ての場合、ほとんどが床下に白アリ駆除剤が散布されている。また賃貸のマンションやアパートの場合、入居前にほぼ100%、くん煙式殺虫剤で「消毒」処理がされている。

「消毒」と聞くと、何やら“クリーン”になるイメージがするが(いや上手いごまかしである!)実際は生きている虫をコロリと殺せてしまう強力な毒物が、部屋中に撒き散らされているに過ぎない。本当にクリーンにしたいなら、掃除器や雑巾がけの方が余程きれいになるのだが…。

さらに、街の街路樹や植込み、公園の樹々や芝生、花壇などにも、定期的に殺虫剤や除草剤が撒かれている。

ちょっと余談になるが、私が横浜の公団住宅から今住む園舎へ移ったとき、何が驚いたかってその生き物の多さだった。虫が、わんさかいることだった。

春になれば、白いモンシロチョウが飛び始め、さまざまな羽虫やテントウ虫、はっとする程力ラフルな蛾、アリ、蜂…それらが一勢に活動を始めるのだった。至るところに生き物たちの気配があった。その虫を求めて鳥がやって来て高く鳴く。何てにぎやかなんだろう!

そんな光景を目の前にして、初めて気付いたのだった。公団住宅の樹々や植込みに、公園にも、異様に虫がいないことを。不自然なまでに静かだったことを。

コメント

  1. 未来を信じる沈黙の春 より:

    タリカさん、こんにちは💞
    お手紙とお葉書を頂き、有難うございます💓体調がよくなくてお返事できずにごめんなさい🙇。おかげ様で少しづつ回復しております💖お互い無理しないで、健康一番でやってゆきましょうね🥰
    身の回りでの殺虫剤散布、本当に頭の痛い問題ですよね!かつて東京駅近くのノッポビルの20階あたりで働いていましたが、週末には各階の給湯室にゴキブリ駆除剤(有機リン)を散布していたんです。窓が締め殺しで窓開け換気もできず、月曜朝に出勤してくるとフロアー全体に薬剤臭がぷわ~んと漂っていて、その中でずっと仕事して、午後になると臭いがやわらいでくる、そんな体に悪い生活を数年続けてしまいました。ビルに入ると体がだるくてだるくて、重い病気もして、事務作業なのに過労なのかと不思議に思っていましたが、後になって思えば化学物質の影響が大きかったんだと思います。その後、シックハウス症候群(化学物質過敏症)になってしまいましたが、ビルでの殺虫剤散布の影響も大きかったのかもしれません。
    また、今思えば色々おかしなことが多かったですね。従業員は五体満足で元気に入社したのに、原因不明の高熱を繰り返した女性や、膀胱炎が続いて出血が止まらない女性等が辞めていきました。ある男性は、アトピーが全身重症化してお岩さんのような顔になってしまい、顔面に包帯を巻いて会社に来ていましたが、転職したらきれいに改善したそうです。また、安定した収入を得て衣食住満たされているのに、不平不満ばかり言って仕事をさぼっている従業員も結構いました。前日まで元気だったのに、突然自死した男性も居て、みな驚きまくっていました。ビルでの殺虫剤散布がどのくらい影響したか分かりませんが、少なからぬ影響を感じざるを得ません。
    余談ですが、当時の課長さんの奥さんが、家族で新築住宅に引っ越したところ原因不明の病で寝たきりとなって、ずっと入院していました。もし化学物質で体をやられたなら、化学物質だらけの病院に居ては、治るものもなおりませんよね。当時はシックハウス症候群や化学物質過敏症はほとんど知られていなかったので、本当にお気の毒で、大変気がかりです。
    現在でも、日本中どこもかしこも同じような状況です。化学物質が人間の心身を壊し、環境全体も壊していることを、もっと世の中の方々に知って頂きたいですね!!

 
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