CS三界に家がない!

9-7 ヘンな空気

今から思うとバカみたいだが、当時の私は「自分の脳がやられている」なんて一度も考えたことはなかった。うつも意識障害の発作も始まっていたのに、それが脳に起因するとう知識がなかったのだ。CSは、「アレルギーのひどいやつ」であり、症状は皮フとか鼻や喉の粘膜とか、身体の外表面だけなんだろうとどこかでそう思っていた。

しかしこの「本が読めない事件」で、そんな思い込みは木ッ端微塵に吹き飛んだ。そんな甘いものじゃないと思い知ったのだ。もの凄い実感として、自分の脳が障害を受けているのだとわかった。一気に迫ってきた。だって私は、つい一瞬前に読んだことも、まるで覚えていなかったのだから!

原因はどう考えても、ここの「空気」にあるとしか思えなかった。この東京都M市のニュータウン団地、そこに隣接する、我家の窓からその真っ白い巨大煙突の見える、ごみ焼却施設。化学物質の入り混じった、その白い排出空気。

身体の感じとしても、ここの空気はちょっとおかしかった。ヘンな感じがあった。

引っ越して住み始めた頃は、そう悪くはないと思ったのだ。その前に住んでいた横浜では、車の排気ガスにこっぴどくやられていたので、その点ではむしろ「空気が良い」とさえ感じた。

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