CS三界に家がない!

9-5 25mプールの水、象が2頭

ある重症のCS患者さんは、これを

「だるくてだるくて25mプールの水が身体におおいかぶさっているよう」

と表現している。

またCSと類縁疾患(症状は異なるが同じようなメカニズムで生じている疾患)といわれる筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)の患者さんも、

「象が2頭ほど乗っているような…」
「巨人の手で押しつぶされているような…」

と表現した。

そうそう、まさにそれだよ!と私などは思う。どちらもたぶん同じところが、やられているのだろう。(『化学物質過敏症・症例集2004』CS支援センター発行/『ある日突然、慢性疲労症候群になりました』 ゆらり著 合同出版発行 より引用)

ちなみに筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)のある研究によれば、

脳の左視床髄板内核というところに炎症が起きている度合と、認知機能障害・疲労感の度合は正の相関を示した

という結果が出ている。この左視床髄板内核というところは、網様体賦活素という意識に大きく関与しているところと連動している。

図9-1 視床の位置
鈴木俊明 他 「神経疾患の評価と理学療法」P436-440,エンタプライズ,2003年 より引用

図9-2 視床髄板内核の位置
鈴木俊明 他 「神経疾患の評価と理学療法」P436-440,エンタプライズ,2003年 より引用

つまり私の「意識障害」も、そして前述のCS患者さんやME/CFS患者さんも、あるいはここが、この左視床髄板内核という、脳の一番奥深くにある神経細胞の塊(神経回路)のとこが、炎症を起こしていたのかもしれない。
それが私たちの上に、巨大なまな板を、25mプールの水を、象2頭を、乗っからせていたのかもしれない。
 (「筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群と脳内神経炎症」 中富康弘 倉恒弘彦 渡辺恭良 『Brain and Nerve 2018年1月 所収)

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