「同病相憐れむ」なんて意地の悪い人はいうが、しかし同病の人同士こそ、わかり合えることが確かにある。そして誰かが「わかる」、と一言共感してくれただけで、塞がってくる傷口もあるのだ。過敏症状がそれによって直接「治る」わけではないのだが、しかし少くとも心理的な「孤独」状態は、薄まる。嘘のない、心からの共感は、患者の足もとを支えてくれる。それが治療以上の治療効果を上げないとは、誰にも言い切れないはずだ。
近年、依存症やトラウマの治療ケアに、グループセラピーやオープンダイアローグ(※複数の患者が集まり、一人一人の話を全員でただ聞く、というもの。批判や横やりは入れず、ただ黙って聞く、というところがポイント)を取り入れ、その効果も実証されつつあるが、CSにおいてもそういった試み、“場”は必要なのではないか、と思うのだが。かなり切実にそう思うのだが。
コメント
うーん、本当に大変ですね。
でもいま北里病院が診察を行なっていないのは何故なんだろう?いま発症した患者さんたちが診断や治療?を受けられる病院はあるんですかね?そのあたりのことはこれからかな?
大変鋭いご質問コメントをお寄せ下さりありがとうございます!
1999年に始まった北里病院での科学物質過敏症外来は、2019年に閉鎖されてしまいました。
原因は、クリーンルームの維持費、特に空気清浄のための活性炭費用(年間600万)が大きな負担となり、採算が取れなくなったため、と言われています。(個人的には、あれほど大きな病院が年600万程度捻出できなかったのかなぁ、とおもいますが)
その後、北里病院で患者の診察に当たってこられた宮田幹夫医師が、杉並区に「そよ風クリニック」を開院し患者を診てこられたのですが、残念なことにこの4月で閉院に。また盛岡にあった国立病院機構盛岡病院のCS外来も閉鎖されてしまいました。
現在は、東京の日の厚生クリニック、大阪市ふくずみアレルギー科、北海道の渡辺一彦小児病院、と全国に7カ所位しか専門病院は無い状態です。患者は年々増え続け、現在100万人はいると言われているのですが…。
化学物質過敏症患者は、まさに「医療難民」でもあるのです。
なるほど、そういう状況なんですね。
香害という言葉が辞書に載るほどさまざまな化学物質アレルギーが表面化しているのに、政府は何をやっているんでしょう?いまごろになって花粉症対策とか、場当たり的な発言をしていて、現実の把握ができているとは思えません。実態を調査し、適切な助成を行なってほしいですね。