9-1 CS三界に家がない!
奥野井 タリカ
9-6 記憶にない!
そんな奇ッ怪な発作が起きるようになった頃、もう一つ、ショッキングなことがあった。 あれ…?何だっけ? 本を読んでいて、急にあるところの意味がわからなくなった。それはたしか1、2ページ前で、説明がされていたはずだった。あれ? とそう思い、1、...
9-5 25mプールの水、象が2頭
ある重症のCS患者さんは、これを「だるくてだるくて25mプールの水が身体におおいかぶさっているよう」と表現している。 またCSと類縁疾患(症状は異なるが同じようなメカニズムで生じている疾患)といわれる筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/C...
9-4 意識障害
この発作、始まりと同時に終わりも唐突にやってくる。 パッと、まるで縛られていた縄が解けたように、手足が動くようになる。身体も動き、頭も働く。あの巨大なまな板も、どこかへ消えてしまっていた。 それで時計を見ると、2時間から4時間が経過している...
9-3 巨大まな板が落ちてくる
その発作は、いつもいきなり、突然やってきた。 一瞬前は何ともなかったのに、突然手足が冷たくなり、全身がぐーーっと重たくなってくる。上から押されているような感じで、その重さに押し潰されるように、私はその場にうずくまる。 まるで、上から巨大なま...
9-2 どうやってもここには住めない
「だからね、結局化学物質過敏症の患者は、どこか環境のいいところへ行って、そこに自分たちで安全な家を建てて、そこで暮らすしかないんですよっ‼」 電話口の向こうで、七尾みち子さん(仮名)は、ほとんど叫ぶようにそう言った。私がべそべそと泣きながら...