奥野井 タリカ

病名を知るということ

2-21 夕暮れの記憶

ある日に見た夕暮れの景色を、私は未だに覚えている。まだ病名も何もわからずに、ただ自宅で療養していた頃のことだ。例によって朝起きられず、午後の2時過ぎに目が覚めた。慌てて起きて朝食を食べ、外に出掛けた。 とにかく・・・図書館へ行こう。行って本...
病名を知るということ

2-20 あるデータによれば・・・

病名を知るということは、ことCS(化学物質過敏症)に関していえば、それはつらいことでも不幸なことでもない。病名がわからない方が、遥かにつらく、苦しい想いをするからだ。 『化学物質過敏症患者の「二重の不可視性」と環境的「社会排除」』 寺田良一...
病名を知るということ

2-19 これだっ!!

観終わったときには、すでに強く確信していた。あぁ、私もこれだ、この病気に間違いない、と。そのときの感覚は、一種独得というのか、不思議なものがあった。 何というか、天からすとーんとまっすぐ自分めがけて、「答」が落ちてきたというような感じ。その...
病名を知るということ

2-18 「化学物質過敏症(CS)」

シックハウス症候群・化学物質過敏症 家の建材として使われている材木や合板、壁のビニールクロス、ペンキなどの塗料、床下に散布される白蟻駆除剤。それらから揮発して出てくるホルムアルデヒド、トルエンやキシレン、有機リン素殺虫剤などの化学物質を、つ...
病名を知るということ

2-17 たった1つのヒント

そんな混乱のなかにいた。すべてがどこかちぐはぐで、掛け違っているような日々。 どこかに原因はあるはずなのに、それが私にはわからない。見えてこない。霧の中で迷っているかのよう。濃い霧に包まれ、私はただウロウロ、右往左往。 それでも、何か原因が...