北里病院・さっぱりわからん!検査編

4-2 浮かび上がる黒い影、そして暗幕

それが終わると、また違うモニターの前に誘導される。

「今度は、画面にこんなふうな(と看護師さん画面に出す)立体図形が出てきます。そしてしばらくすると、そこに影が出てきます。(とたしかにじわ~と黒い影が浮かび上がってくる) この影が見えた、と思ったらすぐ、このスイッチを押して下さい」

?何が何だかさっぱりわからないが、ともかく言われた通りにする。要するにこれ早押しだよね、と思い、影がじわ~と浮かび上がってきたらすぐさま、うりゃうりゃうりゃ、とスイッチを押してゆく。押すとすぐに次の図形が出てくるので、何だか妙に楽しい。終ってみると「これは出来たな!」と思い、「けっこう高得点かしら?」などと思った。もう完全にゲーム感覚。

そして三つ目の検査。

この最後の検査ブースが、実のところ一番見た目が怪しかった。部屋のほぼ中央にあるのだが、その周囲は暗幕でぐるりと囲まれている。この薄暗い部屋のなかで、さらに暗くしているのだ。

思わず、高校の文化祭のお化け屋敷を思い出してしまった。いやーあれ大変なんだよなぁ、教室を真っ暗にするために窓にダンボール貼ったり暗幕吊したり…などと。暗幕、かなりなつかしい。

「じゃここに座って、目をつぶって上から両手で覆ってもらえますか。ハイ、そんな感じで。そのままで3分間いて下さい」 と看護師さん。

暗幕の内でさらに目をつぶりまたさらに両手で目を覆うというこの徹底ぶり。目の前はもう本当に真っ暗暗だ。いやしかし、何してんだろうかこれ?

「目の瞳、つまり瞳孔ですね。瞳孔を今、大きくしているんです。瞳孔は、暗いところで大きく開く性質があるんですよ。そのためにここは、暗く暗ーくしてあるんです」

かくれんぼの鬼になっているような私の隣で、看護師さんがひそひそ小声で説明してくれる。

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