仕掛けられたうつ(chaptor3)

8-10 ”酵素”というのが破壊されるのだ

『有機リンの慢性中毒は、リンホスホリパーゼ(NTE)という酵素(こうそ)に直接ダメージを与えて引き起こされていることがわかりました。

この酵素の働きが侵されると、狭心症や心筋梗塞の原因になったり、記憶障害や子供の多動障害の原因になることも指摘されました。

そのほか、さまざまな酵素の働きを阻害して、人間の心身に影響を及ぼすこともわかってきています。

特に重要なのは、脂肪酸アミド加水分解酵(FAAH)の阻害です。

この酵素が有機リンに侵されると、記憶を失ったり、うつになったり、睡眠障害になることが、最近の研究で明らかになっています』(検索によるネット情報より引用)

「酵素」、と聞くと昔、♫酵素パワーのトーップ!!♫というライ〇ンの合成洗剤のCM曲をつい思い出してしまう私(年がバレますな!)なのだが、もちろんその酵素とは違う(たぶん)。

「酵素」とは、私たちの身体のなかで作られる、一種の化学物質である。

食べ物や、あるいは毒物などが体内に入ってくると、身体はあれやこれやの物質の力でもってそれを分解し、消化や解毒する。その行程は化学反応そのものであり、酵素はその化学反応を早めるため活躍しているのだ。また消化や解毒だけでなく、呼吸や筋肉を動かすといった運動分野、あるいはDNAの複製や再生の折にも、酵素が仕事しているという。

その数約2万種!! この酵素が働かなければ、私たちは一日たりとも生きてはいられない。

この酵素の働きは、有機リン農薬でいとも簡単に邪魔されてしまう。というか、有機リン系農薬は、そもそもそこを狙って効くようデザインされて作られている。虫を確実に殺せなければ、農薬にはならないからだ。そう、「農薬」は本当は薬などではない。殺生剤なのだ。

酵素の働きが阻害されると、本来行われるはずだった身体の作用が、ストップしてしまったり逆にじゃんじゃん加剰に行われてしまったりする。筋肉も、動かなくなったり逆に動き過ぎてけいれんを起こしたりとする。

青山医師のインタビュー記事にあるように、舌を噛みそうな小難しい名前の酵素が有機リン系農薬によって阻害されると、私たちの精神のバランスは簡単に崩れてしまう。否、崩されるのである。そうしてうつになり、不安になり、イライラ、引き込もり、不登校・・・。

考えてみると、これは大変なことではないか。大変に恐しいことなのではないだろうか。

だって農薬一つで、私たちの心はいともたやすく変わってしまうのだ。性格や人格まで変化させられてしまう。本当はその人は、明るくて活発な人だったのかもしれないのに、うつや不安に陥る。本当はやさしい人だったのに、功撃的になる。本当は片付けられる人だったのに、片付けられなくなる。農薬のせいで、ねじ曲げられる。

では、それで死んでしまった人はどうなるのだろうか?農薬でうつとなり、自ら死を選んでしまった人は?

その人は本当に心から「死にたかった」のだろうか。

©SORAIRO

コメント

  1. 未来を信じる沈黙の春 より:

    タリカさん、毎日蒸し暑くて化学物質過敏症の身には応えますが、お元気でお過ごしでしょうか?
    有機リンの問題まで来ましたが、有機リンも毒性が強く、それに代わるのもとしてピレスロイド系、最新のものではネオニコチノイド系のものが出てきていますが、どれも毒性が強いことには変わりありませんね。
    現在も有機リン系薬剤は多用されており、農薬としてのみならず、汲み取り便槽に入れるウジ殺し、スズメバチ等の害虫や家庭用植物へのスプレー缶など、幅広く使用されています。便槽に入れるウジ殺し(「バ〇ナ」)は、有機リンと香料が混ざった独特のひどいにおいがして、そばを通っただけでものすごいダメージを受けてしまいます。有機リンスプレーは、有機リンに、あの独特のにおいを付けたものですが、これも大量にスプレーする方がいて、そばを通ると大変なことになってしまいます。これらは柔軟仕上剤(イソシアネートのマイクロプラスチック、抗菌剤、香料等の混合物)の問題と同じで、薬剤+香料の製品は、薬剤の毒性のみならず、薬剤とにおい物質が混ざった相乗効果によって、ダメージがより大きく感じられます・・・。
    現在、有機リン、ピレスロイド、ネオニコチノイド、柔軟剤等は人体や環境に大きなダメージを与えていますが、日本の規制の甘さに頭を抱えています。化学物質過敏症の患者たちは、いつになったら欧米並みの規制がされるのか、非常に苦しみ悩んでいますが、希望を捨てずに、一緒に声を上げ続けていきましょうね!!

 
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