CS三界に家がない!

9-40 除草剤ってどういうもの?

ここで話は脇に外れるのだが、ついでに除草剤について少し書いてみたい。除草剤とはそもそも、どういうものなのか?

思えば私は、除草剤にも大変に弱かった。
CS反応が強く、たちまち身体がヤラれてしまう。

公園や神社仏間など、樹々や緑の多いところへ行くと、決まってよく倒れた。頭はくらくら、足はヘタヘタ、急激に眠くなるという謎の症状も手伝って、まともに立ってもいられなくなる。父と母に両脇から抱えられ、慌ててその場から逃げるということが幾度もあった。

原因はおそらく、除草剤だった。公園でも神社やお寺でも、見るとその植込みには一本の雑草も生えていない。整然として実にきれいな“庭園”だった。しかしそういったところに近付くと、必ず私の身体はおかしくなるのだ。

どんなにそれがきれいな庭園でも、雑草が一本たりとも生えていない植込みというのは、やはりおかしい。生態的にも不自然な状態だ。

芝生は青々と繫っているのに、それ以外のものが何も生えていないその異様さ。雑草というある意味生命力の強い植物が、まったく生えることの出来ない土というのは、果して“自然”なのだろうか。そうは思わない私たちの目は、あきらかに曇らされている。

その不自然な“自然”の演出に一役買っているのが、除草剤だ。街路樹や花壇の植込み、道路、駐車場、学校等のグラウンド、線路などにも除草剤は定期的に散布されている。もちろん、畑や水田など農業の場においても。

除草剤は、ではどうやって雑草を生えなくするのだろう。あるいは生えていた雑草を枯らすのだろうか?

代表的な除草剤で、今でもあらゆる場所で大量に使われている、グリホサート(商品名「ラウンドアップ」その他)で、それをみてみたい。

このグリホサート、実は除草剤になる前は何とボイラーの洗浄剤だった。鉄や銅、マンガンなどの金属をキレートする作用があったからだ。

「キレート」とは、カニのハサミを意味するギリシャ語で、その名の通り何かの物質をはさんでがっちりと固定し、動かなくすることをいう。

グリホサートは鉄や銅、マンガン、その他カルシウムやマグネシウムといった金属と結合し固定、動かなくするのである。おそらくボイラーの洗浄剤だった頃は、一種のサビ止め剤として使っていたのではなかろうか。

ここに目を付けたのが、アメリカの巨大化学企業モンサント社(現在は合併しドイツ・バイエル社)だった。新しい除草剤として開発し1974年より販売されたのが、商品名「ラウンドアップ」である。

そのメカニズムはこうだ。
植物には「シキミ酸経路」というタンパク質をつくる合成経路がある。ここが働くためにはEPSPS酸素という酸素が働く必要があるが、そのためには鉄や銅、マンガンなど土中にある金属ミネラルがなければならない。

しかし土に除草剤が撒かれると、土中でそれら金属ミネラルはがっちりと固定してしまい、動かなくなる。植物は吸収出来ず、このシキミ酸経路も働けなくなり、タンパク質不足に陥る。それで栄養不足になり、ゆっくりと茶色く枯れてゆくのだ。

人間でいえば、餓死である。植物とはいえかなり残酷な殺し方ではないだろうか。私の父が、ガードレールに沿って立ち枯れした雑草の群れを見て「嫌な眺めだ。まるでミイラが立ち並んでいるみたいだ」と称したのも、ある意味当たっていたといえる。

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