仕掛けられたうつ(chaptor2)

7-3 進む過敏症状

注意! 本章には、かなり強いうつ、自殺衝動の描写があります。フラッシュバックやPTSD等を懸念される方は、どうぞ体調を優先なさってくださいますようお願い申し上げます。

たしかに。

いやたしかにねこのときの私、けっこうかなり絶望していた。 死にたい? 死にたくない? と訊かれたら、答えに迷うくらいには。一日一日を生きるのが、大変につらい状態だった。だからあぁもう死にたい、死んじゃいたい、こんな人生もーやめたい、とはわりと日常的に思っていた。

とにかく状況が悪かったのだ。八方塞がりのドン詰まり。四面楚歌もいいとこ。これ気分じゃなく現実的にね、そうだったのだ。

だって化学物質過敏症なのに、患者なのによりによって、家のすぐそこにゴミの焼却場があるなんていうとんでもないところに来てしまった。これはダメでしょ逃げなきゃ本当にやばいでしょということは、身体の感じでひしひしと、いやビシビシと痛いほどわかる。のに逃げられない。現実的に難しい。経済的問題もあるし、第一じゃあどこに逃げればいいのさって話もあるし。

でもそうやってぐずぐずしている間にも、症状がひどくなってくる。そして恐れていた通り、過敏化が進行してきた。どんどんどんどん、反応するものが増えて来るのだ。この頃からぐっと。

たとえば昨日までは普通に使っていた水性ボールペンが、今日はもう駄目になっている。書き出すと途端にこめかみがキュ~としてきて、頭痛になる。それ以上はもう書いていられない。

またやはり昨日までは何ともなかった新聞や広告類が、今日はインク臭くなっている。それがきつい。手に取れば手にもにおいが付いてきて、におう。

同じようなことが、食品、衣類、その他身の廻りに置いてあるモノでも起きてくる。食後に妙に気持ち悪くなったり、その服を着ると決まって頭が鉢をかぶったように重くなったり。  洗面台に置いてあるだけの父の整髪料が、じんわり微妙ににおってきたり・・・。

また外に出ても、バスや電車に乗るとその後でぐったり疲れるようになり、スーパーや本屋に入店すればどういうわけかすぐ外へ出てしまいたくなる。挙句にはただ道を歩いているだけでも、急に膝の力がふっと抜け、その場で崩れ落ちそうになる。あっちこっちでそんなことが起きてくる。勃発する。何か加速を付けたようにどんどん、身体が過敏化してきたのだ。

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