9-1 CS三界に家がない!
奥野井 タリカ
4-5 診断、下る
そしてやっと、やっとようやく、待ちに待った診察となった。 診察室に入ると、40代半ばくらいの、眼銀をかけた一見研究者? みたいな雰囲気の男性の先生が椅子に座っていた。そうして手元のデータ書類に、次々と目を走らせている。たぶんそれらは、今さっ...
4-4 ・・・何してたん?
それどころか、この北里の化学物質過敏症外来の看護士さんたちは、皆とてもやさしくて、親切だった。いや親切以上に何か、CS患者に徹底的に寄り添おうとする、強い意志のようなものが伝わってくる。クリーンルーム内での仕事であるから、彼女たちも完全にノ...
4-3 真っ暗くらのクラクラ
「このあと行うのが、瞳孔反応検査、というものです。暗所で大きく開いた瞳孔に、一瞬強い光を当てます。フラッシュみたいな、かなり強い光です。瞳孔は光を見ると、ギュッと縮んで小さくなるのですが、そのときの反応の速度や反応度合を調べるんです。それが...
4-2 浮かび上がる黒い影、そして暗幕
それが終わると、また違うモニターの前に誘導される。 「今度は、画面にこんなふうな(と看護師さん画面に出す)立体図形が出てきます。そしてしばらくすると、そこに影が出てきます。(とたしかにじわ~と黒い影が浮かび上がってくる) この影が見えた、と...
小林暁子さんと私
私は、20年以上前に、この提言書を書かれた小林暁子さんと、会ってお話ししたことがあります。小林さんは、まだ患者になりたての私に、多くのことを教えてくださいました。「プラスチック容器が使えないっていう人もいるけどね 何日も洗って洗って干せば使...