物語

仕掛けられたうつ(chaptor2)

7-8 ファミレスでの異変

ベランダの洗たくロープで猛烈に自殺したくなった、その前日のこと。私は友達と会って、外でお茶したのだった。10代の頃からの友達で、このときはわたしが体調が今一つということもあり、彼女がうちの最寄りの駅まで訪ねてきてくれていた。駅前で、さあどっ...
仕掛けられたうつ(chaptor2)

7-7 思いがけない一言

あなたそれ、化学物質のせいよ電話の向こうでSさんが、きっぱりとした声で言った。えっ、化学物質??そう、化学物質の影響で死にたくなるのよSさんは、その頃私がよく相談していた、化学物質過敏症(CS)患者支援団体の相談員の人だ。いつ電話をしても、...
仕掛けられたうつ(chaptor2)

7-6 これは私の感情なのか?

しかし。「思う」のと「やる」のとは違う。「死にたい」と思うのと実際に「自殺する」との間には、なおかなりの距離がある。あるはずだった、少なくとも私の場合は。だから、これほど日常的に死にたい死にたいと思っていた私でも、実際にそうしようと具体的に...
仕掛けられたうつ(chaptor2)

7-5 逃げられない絶望

逃げろ。逃げ出せ。唯一の方法はやはり、それしかないように思えた。このゴミ焼却施設に囲まれた空気圏 ―実はやや遠くにもう一つ焼却施設があったのだ! しかもこっちの団地がどんぴしゃ風下に当っていた― から脱出すること。それしかない。この急速な過...
仕掛けられたうつ(chaptor2)

7-4 失われてゆく”日常”

反応物が、日に日に増えてくる。ということはつまり、私の化学物質過敏の症状が進んでいるということだ。それも一日単位で進行している。日々刻々と亢進している。怖かった。これは本当に怖いことだった。まともに考えたら、ちょっと気がヘンになるんじゃない...