9-1 CS三界に家がない!
物語
2-21 夕暮れの記憶
ある日に見た夕暮れの景色を、私は未だに覚えている。まだ病名も何もわからずに、ただ自宅で療養していた頃のことだ。例によって朝起きられず、午後の2時過ぎに目が覚めた。慌てて起きて朝食を食べ、外に出掛けた。とにかく・・・図書館へ行こう。行って本を...
2-20 あるデータによれば・・・
病名を知るということは、ことCS(化学物質過敏症)に関していえば、それはつらいことでも不幸なことでもない。病名がわからない方が、遥かにつらく、苦しい想いをするからだ。『化学物質過敏症患者の「二重の不可視性」と環境的「社会排除」』 寺田良一(...
2-19 これだっ!!
観終わったときには、すでに強く確信していた。あぁ、私もこれだ、この病気に間違いない、と。そのときの感覚は、一種独得というのか、不思議なものがあった。何というか、天からすとーんとまっすぐ自分めがけて、「答」が落ちてきたというような感じ。その瞬...
2-18 「化学物質過敏症(CS)」
シックハウス症候群・化学物質過敏症家の建材として使われている材木や合板、壁のビニールクロス、ペンキなどの塗料、床下に散布される白蟻駆除剤。それらから揮発して出てくるホルムアルデヒド、トルエンやキシレン、有機リン素殺虫剤などの化学物質を、つね...
2-17 たった1つのヒント
そんな混乱のなかにいた。すべてがどこかちぐはぐで、掛け違っているような日々。どこかに原因はあるはずなのに、それが私にはわからない。見えてこない。霧の中で迷っているかのよう。濃い霧に包まれ、私はただウロウロ、右往左往。それでも、何か原因が、そ...