「世界の縁に立つ」というタイトルは、ふと浮かんできたものだった。
昔古代の人たちは、地球が球体であるとは知らなかったので、海をずっと行くと、その果てで「世界」は終わり、海は切り立った断崖となってすべてはその向こう側へ落ちてゆくものだと考えていた。地球まっ平説(?)である。
私自身ある時期、その果ての果て、海の尽きるその切り立った断崖のようなところまで、流されたと感じていた。人が誰もいない、流れる水と空しかない、明るいがおそろしくがらんとしたところ。今でもたまに、いると思うときがある。そこから、海水もろとも落ちると思ったこともあるし、落ちた方がましだと思ったこともある。
しかし最近気付いたのは、どうもそこにいるのは、私だけではない、ということだ。いや「私だけ」と思っていた自分は、何と思いあがっていたことか。
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