世界の縁に立つ

世界の縁に立つ-私の化学物質過敏症 その5

寝る前に、自室のベランダの窓をほんの少しだけ開けた。私の家は2階にあり、その窓のすぐ下は植込みで、椿の木が3本程植わっている。椿にはチャドクガという蟻がつくといわれており、農薬散布は特に念入りに行われているはずだった。だから警戒して、2センチ程しか開けなかったのだ。

その2センチの窓から、外気がすーっと入ってきた。とその直後、急に身体がずしっと重くなった。そしてすぐに力が抜け、足も立っていられなくなり、その場に倒れ込んだ。

寒気がした。手足が猛烈に冷えていた。まるで氷水のバケツをざばっとかけられたかのようだ。吐き気が、下からぐーっとせり上ってきて、胸と喉の辺りでどろどろ渦巻いている。気持ちが悪いが、しかし吐けない。

意識もヘンだった。真っ二つに分裂していた。ああ~、なんか今おかしなことになっている・・・とひどく冷静に状況を把握している部分と、まるきりごちゃごちゃのぐちゃぐちゃになっているところとに。

そのごちゃごちゃになっている部分では、この場にまったく関係のない言葉―たとえば「オランウータン」とか「地下鉄○△駅とか」―が急に浮かんでは消えていったり、またやはりこの場には何の関連性もない写真のような情景が、まるでスライドショーのように次から次へとばばばばばば・・・・と凄まじいスピードで出ては消えてゆくのを繰り返したりしていた。脳のどこかが、もの凄い勢いでぎゅんぎゅん回転しているのが自分でもわかる。これはおかしい、と冷静な方の私は思った。完全にどこかがおかしくなっている。

第1章をイッキ読み

第1章の全文掲載完了に伴い、日々のブログ記事を1ページにまとめたイッキ読みのページをご用意させていただきました。
長文となりますがご興味をいただけましたら、お読みいただけましたら幸いです。

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奥野井タリカ 私の化学物質過敏症(CS)

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