観終わったときには、すでに強く確信していた。あぁ、私もこれだ、この病気に間違いない、と。
そのときの感覚は、一種独得というのか、不思議なものがあった。
何というか、天からすとーんとまっすぐ自分めがけて、「答」が落ちてきたというような感じ。その瞬間、カチッと何かがはまり、大いに腹の底から符に落ちていた、というような感じ。そうして絶対の確信が、身体中を駆け巡る。そう、まさにこれなんだ、というような。実は頭より先に、身体がそれを理解していたのかもしれない。
化学物質過敏症。
そうだ、その通りじゃないか。私は化学物質に人より過敏に反応をしている。番組の中のあの、眼鏡をかけた物静かな青年と同じように、私も排気ガスに反応している。
と同時に、はっと気が付いた。
排気ガスとは、まさに「化学物質」であったことに。
霧が晴れた瞬間だった。
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