北里病院・魅惑のクリーンルーム

3-10 いざ、クリーンルームへ!

「お待たせ致しました、では皆さん、ご入室下さい」

やっと看護師さんがやって来て、私達に告げた。一同期待を胸に立ち上がる。そしてあの、二重ドアの向こうへと足を・・・み、魅惑のクリーンルームの扉が、ついに・・・!!

・・・あらぁ?

どんなに素晴らしい空気なのか、と思っていたのだが、案外そうでもなかった。外と内とでも、そう変わらん気が。私はあまり、「におい」を強く感じないタイプのCSだったので、余計にそう思ったのかもしれない。

確かに、内の方がかなりマイルドな気はした。でもこう、森とか高原とかの、サワヤカーな清涼感あふれる空気・・・とかではない。むしろやや、もったりとしている感じがする。ううむ、やっぱり巨大ではあっても空気清浄器で“作った”空気というのは、限界があるのかもしれない。都会のど真ん中だもんなぁ、ここは。天然自然の空気には、やはりかなわないということなのかしらん。

入室するとまず、ロッカールームで着替えるよう指示された。下着を残して、あとはすっぽり全部着替えるという。

ロッカーに入っていたのは、生成り色した、オーガニックコットン100%の服だ。上は、前で合わせてヒモでくくるタイプのもので、下はだぼっとしたズボン。ちょっと作務衣か甚兵衛みたいな感じ。同じ素材のタオルと靴下も借してくれる。

なんかこれって・・・

着替え終って見渡すと、老いも若きも男も女も、全員このタオル地っぽいだぼだぼ甚兵衛姿。どうもだんだん、温泉か健康ランドに来ている御一行様、みたく見えてくる。タオルを首にかけたりするとこれがまた。ホントにここは病院か!?いや何か笑える。同じことを思ったのか、隣のロッカーの女性も苦笑していて、思わず2人で笑い合う。

※これは2,000年当時の話です。現在北里病院では、これらの治療は行っていません

第3章をイッキ読み
第3章の全文掲載完了に伴い、日々のブログ記事を1ページにまとめたイッキ読みのページをご用意させていただきました。 長文となりますがご興味をいただけましたら、お読みいただけましたら幸いです。
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奥野井タリカ 私の化学物質過敏症(CS)

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