仕掛けられたうつ(chaptor2)

7-15 病気の「原因」を考えない私たち

注意! 本章には、かなり強いうつ、自殺衝動の描写があります。フラッシュバックやPTSD等を懸念される方は、どうぞ体調を優先なさってくださいますようお願い申し上げます。

話が何やらどんどん広がってしまったが、かくして私たちは、うつの「原因」なんてあまり考えないようになってしまった。うつだけでなく、その他の精神疾患でも、自閉症スペクトラムや発達障害でも、認知症でも、脳を起因とするあらゆる疾患に対して、そうである。

「原因」は問わない。

その症状が出ているから私はその病気。

ある意味、社会がどっぷりとDSM的思考に浸かっている。そりゃ医療産業としては、「原因」など考えずに薬に頼ってくれるから、患者はまことに都合の良い「お客様」なわけである。ウハウハ。

「化学物質でうつになる」

はしかし、そのDSM的思考に強烈なカウンターパンチを浴びさせることになる。精神疾患にも「原因」はあり。場合によってはその「原因物質」を取り除けば症状は治る、あるいは改善する、ということ。

つまりそれは、うつ病でいうならばその「化学物質によるうつ」は、かつての「身体因性うつ」、または「内因性うつ」である、ということになる。化学物質が身体に、脳に、影響を及ぼしある種の「機能障害」を起こさせるのであれば、うつは起こりうる。うつばかりでなく、同じプロセスが他の精神疾患でも生じるならば、やはりそういえる。ならばこういえるはずだ。

うつの「原因」はある。
化学物質がその「原因」の一つである。

「原因」は、あったのだ。しかも自分の内ではなく外に。環境の中に、あったのである。

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