仕掛けられたうつ(chaptor3)

8-12 自殺大国ニッポンの闇

「農薬とうつ」をキーワードに、ネットで検索かけてみた。それで上がってきた情報を紹介しておきます。その続き。

日本の例でも、次のようなものがあった。

●第15回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品 『自殺大国に潜む影…
 (制作 新潟総合テレビ)

2006年11月2日に放映された、新潟総合テレビ製作のドキュメンタリー番組である。

(警察庁発表の統計より作成)

日本は、番組名にもあるように、世界でも有数の「自殺大国」だ。一年に約3万人近い人が自ら死を選んでおり、単純に計算しても一日に80人近い人が自殺していることになる。異様な国である。

新潟は、その中でも自殺率が高い県だという。昭和39年以降、つねに全国ワースト10位圏内に入っており、特に高齢者の自殺率が目立って高い。(<企画概要>より)

『20年ほど前、松之山で母親をなくした田村英二さん(仮名)。今も母の自殺が脳裏から離れないという田村さんは「一人でやったことだからどうしようもない」と話す一方、「どういうことで悩んでいるのか相談してほしかった」と悔やんでいる。田村さんの母親も3世代が同居し、「家族に迷惑をかけてしまう」と感じての自殺。松之山の典型的なパターンだった』 (<番組内容>より引用)

3世代同居で、「家族内で孤立」している人が多かったというが、「家族内での孤立」で本当に、死を選ぶのだろうか? と私などは少々疑問に思う。そもそもなぜ、その人は家族と没交渉になってしまったのか。一家のお母さんが、どういう心情に陥っていたんだろう?

番組では直接関連付けているわけではないが、新潟県や秋田県など、いわゆるブランド米産出の盛んな県ほど、自殺率が高いことはつとに指摘されてきた。ブランド米やブランド農産物ほど、害虫被害を恐れ丹念に農薬を散布するからである。

『全国的には自殺率が高い都道府県の上位を「農業県」が占め、特に農村部で高齢者の自殺が多発している』(同・引用)とある。

番組では、南アフリカのケープタウン大学のロンドン教授らが発表した、「自殺と有機リン系殺虫剤への曝露」(2005年)という論文を紹介する。その論文は『低レベルの有機リン系農薬を長期間浴びると、「うつ」を発症し、自殺を引き起こす恐れがあるという衝撃的な内容だった』(同・引用)とある。

取材進めてゆくと、厚労省は平成15年度に研究費用を補助し、「有機リンの慢性中毒」を研究させ、その報告も受けていた事実が判明する。報告書には、「有機リンは脳神経毒である」、「脳の発達段階にある胎児や子供は十分な配慮がなされなければならない」、「安全な物質開発に力を注ぐべき」と書かれていたという。(同)

が、その報告書以後も一向に、有機リン化合物に対する規則はなされなかった。危険性を把握しながら、厚労省も農水省も、規制しなかったのである。これは相当に、「悪質な所業」だと言えまいか?

『有機リン化合物の危険性が世界各地で指摘されているにもかかわらず、なぜ日本は有機リンを規制するなどの具体的な対応策をとらないのか。今後、日本はどのように「有機リン」と向き合わなければいけないだろうか』

<番組内容>の末尾は、そう結ばれている。

そして国のこの「農薬規制なし!」の姿勢は、この番組放映2006年から18年経った現在も、1ミリも変わっていない。・・・どころかますますひどくなっているのだ。

どうもこの国は、「国民の健康」なんてものはとっくのとうに、売り渡しているんじゃないか?

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