仕掛けられたうつ(chaptor3)

8-15 じゃんじゃん撒いていいよ! と厚労省はいったか

あんま直視したくない、嫌ァ~な話だろうと思いますが、もう少し続けさせて頂こう。

食品における、ネオニコチノイド系農薬の残留規準値の問題である。

実におかしなことが、あった。

2015年、厚労省は、このネオニコ系農薬の残留規準値を、大幅に緩めたのである。
(ネオニコ系クロチアニジンとアセタミプリドに対して)

その結果。

カブの葉っぱの残留規準は、緩和前は0.02ppmだったのに対し、緩和後40ppmとなった。突然、2,000倍に増えたのである。2,000倍、である。

同じく、春菊も緩和前は0.2ppmから10ppmへと、50倍に増え、さらにホウレンソウも3ppmから40ppmへと約13倍に増やされた。(次の奥野氏著 P47より)

『本当は危ない国産食品 「食」が「病」を引き起こす』(奥野修司著 新潮新書 2021年2刷版)の著者奥野氏は、次のように書く。

『厚労省がなぜこんな途方もない数値に引き上げたのか、よく分からない。ホウレンソウなどで収穫前日まで農薬を使いたいので数値を引き上げて欲しいと、農水省に申請があったからとも言われる。まともな農家なら、収穫前日まで殺虫剤を撒くなんて恐しくてできない。通常は、殺虫剤の使用量を減らすために使い方を見直すが、使用量を増やすために見直すなんて聞いたことがない』(同書P48より)

続けて次のようにも書いている。
『また、16年にはチアメトキサムが、18年にはジノテフランが緩和された。TPPに大筋合意して、日本はアメリカの規準に合わせたのかもしれない。
残留規準値を2倍にゆるめれば、使われる農薬の量も倍になる。そして気がつけば、日本は中国を抜いて、世界一の農薬大国になろうとしているのだ』 (同書P48より)
残留規準値がゆるめられれば、それだけ撒いていい農薬の量が増える。農薬そのものも、バンバン売れることになる。

12月。といえばクリスマスで、クリスマスといえばクリスマスケーキ。やはり定番はいちごのショートケーキだろう。

真っ白な生クリームに真っ赤ないちご、というのは、やっぱり心躍る。

しかしあの冬場のいちごは、何回くらい農薬をかけて作られていると思いますか?当てずっぽうでいいのでちょっと、想像してみて欲しい。…10回?20回?それとも…?

答えは、63回。

ちなみに他の野菜では、
キュウリ56回 トマト54回 ナス59回 ナシ34回 リンゴ25回 となっている。

これは、県のガイドラインや農協の防除暦などで、あらかじめ決められている散布回数である。(同書P38~39より)

その回数の多さに驚くが、本当にこれほどの農薬を使わなければ、いちごもキュウリもトマトもナスも出来ないのだろうか?こんな大量に撒く必要が、本当にあるのだろうか。

しかし有機農家などは、農薬をまったく使わずにキュウリもトマトも作っている。私奥野井も、ささやかながら小さな庭で、ちょこちょこと夏野菜など栽培している。もちろん無農薬だ。かたちは悪いが、ちゃんと出来る。

また無農薬とはいかなくとも、EUヨーロッパなどは、この何分の一の量でちゃんと野菜を生産しているわけである。スウェーデンなどは、日本の約25分の1の農薬使用量である。

私には、だからこう思えてならない。
日本が、これほどに大量に農薬を使って農産物を作るのは、農産物のためにやっていることではないのだ。

農薬のために、農薬を大量に消費するために、農薬を撒いているのである。

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