仕掛けられたうつ(chaptor3)

8-17 自殺誘因物質「農薬」を減らせ!

年々増え続けている、子供の自殺。そのことを報じた、昨年2023年12月27日付の朝日新聞記事、『子ども自殺対策・データ集約』の本文には、次のように書かれている。

『個々のケースを分析しながら自殺に至る要因を多角的に調べ、科学的根拠に基づく予防策につながる構想を描く』

「科学的根拠に基づく」といわれるなら、まず真っ先に考えていただきたいのが「子どもの農薬曝露」の件ではないのか。私などはそう思う。空気から、食べ物から、そして水道水からもネオニコチノイド系農薬が検出される現今、子どもがうつになるのは必然であるし、またそれで自殺してしまうのも極めて必然であると思える。これが「科学的」でなくて何であるのか。

しかし、記事のどこを読んでも、化学物質の「か」の字もなければ、農薬の「の」の字も入っていない。「化学物質でうつになる」「農薬でうつになる」という視点すら、皆無である。繰り返すがでは何をもって、「科学的根拠」を探すというのか。

「子どもの自殺を防ぐために、うつと自殺を誘発する農薬の曝露を減らす」

その方針さえ固めれば、すぐにでもやれることはある。

  • 学校施設内及び校庭での殺虫剤、除草剤の使用を止める。また床ワックスを天然由来のものに変え(あるいは塗らない)、カーテンは難燃剤の入っていないものにする。
  • 学校給食を無農薬・有機野菜にする。(これはすでに実施しているところがある。愛媛県今治市、千葉県いすみ市など)
  • 子供の脳、メンタルの健康を守るために、化学物質曝露、特に農薬の曝露を極力減らせるような施策を行うよう、各自治体に通達する。

とこれくらいは私でも考え付く。が、国が本気でそれをやるかと思えば、望み薄だよなぁ~と思う。

何しろ、カブの葉の農薬残留基準値を0.02ppmから、40ppmへと一気に2000倍に増やした国なのだ。それでケローンとしているのが日本という国なのだ。

昭和49~50年にかけて書かれた、有吉佐和子著『複合汚染』。その中にこんな記述がある。

『私は、戦前には決してなかった小学生の自殺が急増している事実について、文部省がどう考えているのか知りたくて中央教育審議会委員を引き受けたことがあった。しかし私が任命されたときの中審教は国際交流がテーマで、日本の子供に関して何も審議せず、つまり中央で教育について何も審議しないで終わってしまった。
子供の自殺という、昔は決してなかった現象が起こっているのを、どうして大人たちはもっと重大な事件として考えないのだろう。農薬による慢性中毒の症状と並べて考えれば、体力の弱い小さな子供や老人に早く大きく破減が訪れる理由が分かるというものではないか。学者たちは、まだ研究が出来ないでいたり、結論を出すには手間も時間もかかりすぎる。
だから小説書きの私が言うしかない。子供の幸福を守るために、死の農法はやめるべきだ、と』 (前掲書 51刷版 P304~305より)

有吉佐和子がこのように書いてから、すでに50年が過ぎている。しかしその間もこの国は、何も変わらなかった。相変わらず「死の農法」を、農薬の大量使用を続けている。

私たちの国は、私たち「国民の健康」など、とっくに売り払ってしまったのかもしれない。

ならば、もう私たち一人一人がやるしかないのではないか。私たち一人一人が、「農薬による健康被害」から目を外さず、直視し、それを自らの意志で拒絶するところから、始めるしかないのではないか。この国はもう、アテにはならないのだから。

コメント

  1. 未来を信じる沈黙の春 より:

    タリカさん、こんにちは💞お手紙を頂き有難うございます🙌毎日毎日猛暑の連続で化学物質過敏症の身には応えますが、いかがお過ごしでしょうか?タリカさんの庭先の畑のお野菜たちも暑くて水不足など起こしていないでしょうか?
    残念ながら、国も国会議員さん達も、国民ではなく、アメリカや大企業の方を見ているようです。日本で農産物の農薬規制が甘くなったのも、アメリカからの圧力によって、アメリカの農薬を輸入するためと聞ときます。日本ではあらゆる工業製品に猛毒のイソシアネートが溢れかえっていますが、これもアメリカの圧力でイソシアネートを大量に輸入しているせいだと聞きます。それ以外にも、アメリカから残留農薬の高い農産物を買わされるなど、枚挙にいとまがありません。アメリカは、国内やヨーロッパでモノが売れなくなると、日本に押し付けるのだそうです。また、日本は大企業の利益のために、農薬規制が甘く柔軟剤の規制もせずにいるそうです。
    私たちが自分たちのくらしを守るためには、国民ひとりひとりが声をあげて大きなうねりを起こすことが必要だと思います。みなさん、小さな一歩を踏み出しませんか?

    • tarika より:

      アメリカから日本へ、化学物質がバンバン持ち込まれている・・・まさに。
      「本当は危ない国産食品」奥野修司著(新潮選書)の中に、こんな衝撃的な記述がありました。

      東京大学大学院(農学生命科学研究所)の鈴木宣弘教授は、「日本はアメリカの要求をすべて受け入れることになっている」からだと言う。
      「(農薬の)残留基準値が、突然六倍とか百五十倍になるはずがなく、食品安全委員会が審査しているとは思えません。
      これは初めから結論ありきで、アメリカからの要請に応えているんですね。アメリカから農薬や添加物に関する要求はいっぱいあります。
      その要求のうち、今年はどれを差し出すか、その順番を決めるのが日本の外交戦略なんです。モンサントはアメリカ政権に強い影響力があります。
      世界中がラウンドアップを制限する中で、儲けるには残留基準値を上げるしかなく、それに応えているのが日本だけなのです。
      国民の命を差し出してまで、なぜそこまでやるのか、と思いますね。 (同署p134より)

      戦後ずっと、おそらく日本は一貫してこの姿勢でやってきたんでしょうね。原発もまたそうでしょう。
      そうして私たちのような、化学物質過敏症患者が生まれてきたんです。苦しむことを課せられたかのような存在として…
      まるで生贄ですよ、私たち。大企業が儲けんための。なんということだこれは・・・!

      いつも力強いコメント、本当にほんとにありがとう!感謝です!
      お互い、負けずに頑張っていこうね!うっしゃぁぁぁーっ!!

 
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