はっきり言って、演劇や芸能の世界は、ブラックもいいところである。1に体力2に体力、3も4も5もみーんな体力で、体力がない奴などお呼びじゃない。
ましてや、「排気ガスが多いところはちょっと・・・」なんて言おうものなら、フッと鼻で笑われ「キミ明日っからもう来なくていーよ」となるのがまあオチである。身体が弱い演劇人、なんて、高所恐怖症のパイロット、血が恐い外科医、みたいなもんである。
いやそれ以前に、専門学校に通い続けられるのかも、はなはだ怪しかった。その学校は都内にあり、実家からだと通学に1時間半以上かかる。以前ならまだしも、今の体力ではどうか・・・保つのか・・・
難所もあった。通学の最後に乗る、バスがそうだった。新宿駅西口の、巨大バスターミナル。めまいがするほど多くのバスが離発着しており、おまけにタクシー乗り場まである。さらに上には高速道路が走っていた。排気ガスという点からみれば、最悪なところである。
それでも、今更どうにもしようがなかった。「将来の夢」を懸っているし、他に選択肢があるわけでもない。
通い始めると、最初の1週間はわりと平気だった。「お、何だ大丈夫じゃん」という感じ。ところが2週間目辺りから、ぐっと疲労感が増してきて、次第にその疲れが取れなくなっていった。一日の疲れが、一日の睡眠では全然解消しない。どんどんどんどん、疲れが溜まってゆく。何時間眠っても、駄目。
しまいには、朝起きたときから、ぐったり疲れているようになった。
朝日が覚め、布団から起きてまず思うのが、
あー・・・疲れた・・・
なのだからもう何をかいわんや。今起きたばかりなのに、身体はもうぐでぐでに疲れている。まるで眠っている間、身体だけ町をフルマラソン走ってたんじゃないの!?と思う程だ。この異様な疲れ、倦怠感は何なのだ。
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