奥野井 タリカ

病名を知るということ

2-11 専門学校、ポシャる

どこからくるんだ。そしてある朝、遂に起き上がれなくなった。 身体が重い。いや重いなんてものではなく、巨大なまな板で上からぎゅうううっと押し潰されているような感じ。身体が布団に貼り付いて、そのままずぶずぶとめり込んでゆくかのようだ。指一本動か...
病名を知るということ

2-10 疲れ、疲れ、疲れ

はっきり言って、演劇や芸能の世界は、ブラックもいいところである。1に体力2に体力、3も4も5もみーんな体力で、体力がない奴などお呼びじゃない。 ましてや、「排気ガスが多いところはちょっと・・・」なんて言おうものなら、フッと鼻で笑われ「キミ明...
病名を知るということ

2-9 将来の夢は...?

この体力のなさと疲れやすさは、実のところかなり問題だった。 というのも、私は大学卒業後に、音響、照明系の専門学校に通う予定になっていたからだ。 大学在学中、私は演劇サークルに入り、演劇活動に没頭していた。芝居の魅力に、文字通り取り憑かれちゃ...
病名を知るということ

2-8 そして出てきた疲労、体重激減

実家に帰ると、症状はまたすんなりと治っていった。アトピーは引っ込み、うつもなくなる。水への反応もほぼ消えた。が、排気ガスへの反応だけは、依然としてあった。交通量の多い場所へ行けば、やはり肌はちりちり、ちくちくしてくる。単に実家周辺は排気ガス...
病名を知るということ

2-7 失った部屋

とにかく、また実家へ帰ることにした。何がどうなってるのかわからないが、直勘的に、これ以上ここにいてはいけない、と思ったのだ。何を置いてもすぐ、逃げなければ、と。 大きな旅行バックに、とりあえず着る服と、教科書やノート類と、あとは日記と数冊の...