そしてやっと、やっとようやく、待ちに待った診察となった。
診察室に入ると、40代半ばくらいの、眼銀をかけた一見研究者? みたいな雰囲気の男性の先生が椅子に座っていた。そうして手元のデータ書類に、次々と目を走らせている。たぶんそれらは、今さっきやった私の検査の結果なのだろう。
「はい、どうぞこちらへ」
「失礼します」
私も椅子に座り、診断を待つ。
…どうなんだろう…ここまで検査しておいて、これで「化学物質過敏症じゃありません」なんて言われたら、もうどうしたらいいんだ…そんな不安がしきりに押し寄せてくる。
「結果から先にお知らせしますと、中程度の化学物質過敏症ですね」
中程度…?ということは半分は化学物質過敏症ではないってことなのだろうか。
「いえ、そうではありません。化学物質過敏症です。重症ではなく、軽症と重症のちょうど中間、という意味です」
あぁそうか…良かった。やはり私は化学物質過敏症だったのだ。肩の力が一気に抜け、安堵感が胸に広がっていった。ホッとした、その一言だった。
「それではまず、検査結果から詳しく御説明します。最初の、白いボールを目で追いかける検査ですが…」
と、ここで先生は検査の結果と私の症状を詳しく説明してくれたのだが、悲しいかな知識のなかった当時の私にはチンプンカンプンで、半分もわからなかった。後々本などで調べて、やっと「そうだったのか!」とわかった。以下、後で知り得たことと合わせて説明してみる。
コメント