仕掛けられたうつ(chaptor2)

仕掛けられたうつ(chaptor2)

7-7 思いがけない一言

あなたそれ、化学物質のせいよ 電話の向こうでSさんが、きっぱりとした声で言った。 えっ、化学物質?? そう、化学物質の影響で死にたくなるのよ Sさんは、その頃私がよく相談していた、化学物質過敏症(CS)患者支援団体の相談員の人だ。いつ電話を...
仕掛けられたうつ(chaptor2)

7-6 これは私の感情なのか?

しかし。 「思う」のと「やる」のとは違う。 「死にたい」と思うのと実際に「自殺する」との間には、なおかなりの距離がある。あるはずだった、少なくとも私の場合は。 だから、これほど日常的に死にたい死にたいと思っていた私でも、実際にそうしようと具...
仕掛けられたうつ(chaptor2)

7-5 逃げられない絶望

逃げろ。逃げ出せ。 唯一の方法はやはり、それしかないように思えた。このゴミ焼却施設に囲まれた空気圏 ―実はやや遠くにもう一つ焼却施設があったのだ! しかもこっちの団地がどんぴしゃ風下に当っていた― から脱出すること。それしかない。この急速な...
仕掛けられたうつ(chaptor2)

7-4 失われてゆく”日常”

反応物が、日に日に増えてくる。 ということはつまり、私の化学物質過敏の症状が進んでいるということだ。それも一日単位で進行している。日々刻々と亢進している。 怖かった。これは本当に怖いことだった。まともに考えたら、ちょっと気がヘンになるんじゃ...
仕掛けられたうつ(chaptor2)

7-3 進む過敏症状

たしかに。 いやたしかにねこのときの私、けっこうかなり絶望していた。 死にたい? 死にたくない? と訊かれたら、答えに迷うくらいには。一日一日を生きるのが、大変につらい状態だった。だからあぁもう死にたい、死んじゃいたい、こんな人生もーやめた...