絶海の孤島に一人流されたと思っていたのに、何やらこのところ、こちら側にやって来る人がやけに多い。あちらの「世界」や「社会」から、ぽろぽろと転がり落ちてきた人が、ほうほうの呈でこの島に、「こちら側」にやってくる。
それは、CSばかりではなかった。発達障害や自閉症スペクトラムの人がおり、慢性疲労症候群/筋痛性脳脊髄炎の人がおり、全身が激しい痛みに襲われる。―あのレディー・ガガもかかったという―繊維筋痛症の人がいた。過敏性大腸炎の人もいた。うつの人がおり、引き込もりの人がおり、何らかの依存症を抱えた人がいる。アレルギーや認知症の人は、今は大挙して押し寄せてきた。どの人も皆、あちらの「世界」や「社会」では、多かれ少かれ生きづらさを感じ、悪戦苦闘していた。病気はこちら側の専売特許だと思っていたのに、どうも今や、そうでもなくなってきたみたいなのである。
そしてとどめが、コロナである。コロナウィルスの感染拡大で、誰もがいつ、自分の健康が襲われ損なわれるのか、わからくなってきた。
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