『化学物質過敏症 ここまできた診断・治療・予防法』〔石川哲 富田幹夫 かもがわ出版 2003年発行〕によると、この「瞳孔反応検査」で、患者の約35%が正常、約45%が副交感神経優位タイプ、約14%が交感神経優位タイプ、という結果が出ている。
また別のデータでは、106名の患者のうち、30.2%が正常、36.7%が交感神経優位タイプ、26.4%が副交感神経優位タイプ、という結果が出ている。(論文「日本の化学物質過敏症患者の臨床的特徴-性別、年齢、アレルギー疾患、自覚症状、他覚的臨床検査結果-」 北條祥子 『臨床環境16』2007より)
どちらの結果でも、約6・7割の患者の自律神経に、異常が出ていることがわかる。
「奥野井さんの場合、この検査では若干の異常が見られました。光を見た後の反応速度は正常だったのですが、瞳孔サイズの方が、通常よりかなり小さくなっていました」 と医師の先生。
「は、はぁ…ということはつまり…?」
「副交感神経が、強く働いていることになります。副交感優位タイプ、ですね。だるかったり、疲労感が強かったり、体力がなくてすぐに疲れてしまうというのも、おそらくここからきていると思います。あとうつの症状も、たぶんそうでしょう。
有機リン系農薬でCSを発症した人は、この副交感優位タイプが多いんですよ」
なるほど、副交感神経も休息・リラックスモードであるうちはいいが、それが過剰になると、だるい、疲れる、何をやってもしんどくってうつウツモード、になってしまうということか…。
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