北里病院・さっぱりわからん!検査編

4-9 「自律」してる神経なんだぜ

そして三つ目の、一番強烈だった検査、「瞳孔反応検査」。

これは、瞳孔の反応から、自律神経の働きを調べる検査だった。

と聞いて、「自律神経の働き」がピンとくる人は、果してどのくらいいるだろう?自律神経って、何してる神経? 昨今、『自律神経はこうやって整える!』みたいな健康本をよく見かけるよね。でもその自律神経自体がどーもピンとこない。自律神経って、何やねんソレは。

と、ずっとそう思っていたのだが、ピンとこないのもある意味当然っちゃ当然だった。

自律神経、は、読んで字の如く、「自律」している神経なのだからして。
つまり私たちの意志や意識とは関係なく、勝手に動いてやってくれる、そういう神経なんである。

たとえば心臓だ。心臓は私たちの意識の介在なしに、勝手に動いて心拍を打ち、その心臓をポンプにして全身に血液を送り出しては、また戻してくるという、血液循環を行っている。

また、消化管などもそうだ。胃は、入ってきた食べ物を強力な酸(胃酸)でまず分解し、さらに小腸や大腸で栄養分を吸収したり、ある種のビタミン類を作り出したりとした後、最後はその残りカスを便として排泄させる。

これも、我々の意志や意識とはまるで関係ないところで、勝手に身体がやっている。

さらに、体温の調節。身体の温度が上昇してくれば、汗腺から水(汗)を出して体表面を冷やすようにし、逆に下がってくると、血管をぎゅっと収縮させて、熱の放散を防ぐようにする。そんなふうな調節を行いながら、身体の温度をつねに一定に保つ。

と、こんな感じで同じように、目や気管や、肝臓や腎臓、などの働きも調節している。自律神経のこうしたコントロール、支配はほぼ全身に及び、自律神経支配のない部位を探す方が困難、なのだとか。

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