仕掛けられたうつ(chaptor1)

6-17 うつと化学物質

それももう今となってはわからない。すべては後付けの憶測である。確かめようもない。

唯一言えることはただ、「この世田谷アパートにいると、心身共にひどく具合が悪くなり、他所へ移るとその症状が消えたり緩和する」という事実だけである。そしてこの事実のなかに、間違いなく精神症状 ―うつー が入っていた、ということだ。

環境化学物質は、精神症状をも引き起こす要因となる。

当時の私はしかし、このことにはまだ気付いていない。状況証拠はかなり出揃っていたものの、そこに至るまでの根拠となる「情報」が、決定的に欠けていた。人間、いくら証拠が揃っていても、身体で知覚していたとしても、その中心となる観点ではなければなかなかそれには気付けない。わからないのだ。

パズルのピースは、かなりのとこ埋まっていた。 でも私は、一歩引いてその絵柄をまじまじと見はしなかったのだ。「心の領域は心の領域でのみ解決する」という、‘‘常識‘‘に捕らわれていたから。だからこの後も何年も、うつで苦しむことになった。

もしかしたらそれは、今現在の大多数の人も、そうなのかもしれない。

第6章をイッキ読み
第6章の全文掲載完了に伴い、日々のブログ記事を1ページにまとめたイッキ読みのページをご用意させていただきました。 長文となりますがご興味をいただけましたら、お読みいただけましたら幸いです。
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奥野井タリカ 私の化学物質過敏症(CS)

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