仕掛けられたうつ(chaptor1)

6-14 なぜ場所によって変わるのか?

そうしてまた、すたこらさっさと実家に逃げ帰ったのだった。9月20日。その10日後の日記がこれ。

帰って来て半月たった。身体はだいぶ良くなってきた。
肌の方も少しずつ治ってきている。

精神的プレッシャーがかかんないのと、
あんまり自分のこと考えなくなったので、
いいのか悪いのかわかんないけど、安定している。

あー書くことない。うっぷんたまってると書きたくなるけど、
今はすごく安定してるし、何の悩みもないし。
2年間で“悩み癖”が付いちゃったのかな。
始終何か悩んでないと自分の存在意義がナイ・・・みたいな?
何じゃそりゃ。
やっぱ人間、一人だということいろいろ考えちゃうのかねぇ
(95年9月30日)

こっちに帰ってきて、身体もよくなってまたせいか、
ほとんどウツもないし、プレッシャーもないし、もちろん孤独感もない。
とするとあの2年間のウツの日々は、
やはり孤独感からやって来たの・・・だろうな。あんま認めたくないが。
一人暮らしって性に合ってると思ったんだけどねぇ
(同10月5日)

精神状態が、つまり気分や心境の変化や自己認識といったものが、環境によって左右される、もっといえば環境中の化学物質によって大きく影響を受ける、などということは、考えてみたこともなかった。ちらりとかすめたとすらない。

なぜなら、精神の領域のことは精神の領域だけで、解決されるものだろうと漠然と思っていたからだ。心の問題は心でのみ何とか出来る、治せるものなのだと。だから私はうつの間中ずっと、何とか「考え方」を変えることでこのうつの状態から脱出しようと、日々あがいていたのである。結局いつもそれは成功せず、うつに打ち負かされていたのだったが。

第6章をイッキ読み
第6章の全文掲載完了に伴い、日々のブログ記事を1ページにまとめたイッキ読みのページをご用意させていただきました。 長文となりますがご興味をいただけましたら、お読みいただけましたら幸いです。
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奥野井タリカ 私の化学物質過敏症(CS)

コメント

  1. ちぇろちづ より:

    いつも更新楽しみにしております。
    うつうつ日記、よくぞこの年まで手元にお持ちになりましたね。
    タリカさんにとってはつらい記憶と思いますが、結構おもしろく読めてしまってすみません!
    わたしも20代のころは似たような気分の落ち込みありました。北の都会に住んでいて、流産とか経験した時がピークでしたね。ホルモンの乱れ・・・?これも化学物質(内因性だけど)のせいといえなくもなく、人を不幸な気持ちにさせる化学物質があるなら、ハッピーにさせるものもないのかしら?人の体にそもそも備わっている、エンドルフィンとかセロトニンとか??増進させる方法ないかしら?・・・うん、やっぱり猫だ、猫を飼おう。

    • 奥野井 タリカ 奥野井 タリカ より:

      こんにちは!
      いつもコメントをお寄せいただき、本当にありがとうございます!
      返信が大変遅くなってしまって、ごめんなさい。 (ちょっと体調を崩してしまって…)

      うつうつ日記 、けっこう面白く読んでいただいてたそうで いや良かったです(笑)。
      我ながら、こんなドス暗いものえんえんと載せてしまって、いいのかしら? と思っていたので。

      人をハッピーにさせる化学物質、いやあるみたいですよ。 詳しくはないのですが、土の中にいるバクテリア? か何かが、”幸福物質”を出すんだそうです。 昔から、うつの人に畑作業療法を施すのは、それかもしれないですね。

      あとはやっぱ、猫ですよね!
      猫撫でてるだけであぁシアワセ~。

 
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