そんな混乱のなかにいた。すべてがどこかちぐはぐで、掛け違っているような日々。
どこかに原因はあるはずなのに、それが私にはわからない。見えてこない。霧の中で迷っているかのよう。濃い霧に包まれ、私はただウロウロ、右往左往。
それでも、何か原因が、そして法則性が、あるような気はしていた。今私には見えていないだけで、でもどこかには、あるんじゃないか?
そんなとき、あるテレビ番組を観た。夕方の民放ニュースのなかの特集で、たまたまテレビをつけたとき、それがやっていたのだ。
シックハウス症候群・化学物質過敏症の特集。それはこんなふうな内容だった。
ある家族が、家を新築し、移り住んだ。すると入居直後から、さまざまな異変が身体に出てきた。頭痛、喉の痛み、目がチカチカする、吐き気、異様な倦怠感・・・等々。
しばらくすると、それとはまた違う、不思議な症状が顕れてきた。
その家族の母親は、たとえばスーパーに買い物に行くだけでも、困難を感じるようになった。あらゆる「におい」を鼻に感じ、苦しくて倒れ込みそうになる。
20代の息子の方は、大学への通学がつらくなってくる。通学途中の車の排気ガスや、また大学構内の床ワックスがきつい。そして遂に、教室の中に入れなくなってしまった。学校には、休学届を出すしかなかった。
病院を幾つも受診し、必死になって調べた。そして浮かんできたのが、
シックハウス症候群・化学物質過敏症
という病気の存在だった。
コメント