シックハウス症候群・化学物質過敏症
家の建材として使われている材木や合板、壁のビニールクロス、ペンキなどの塗料、床下に散布される白蟻駆除剤。それらから揮発して出てくるホルムアルデヒド、トルエンやキシレン、有機リン素殺虫剤などの化学物質を、つねに呼吸から吸い込み続けることによって、身体が化学物質に強く反応するようになる。
症状が進むと、発症原因となった物質以外の化学物質にも反応を示すようになる、多種性化学物質過敏症(MCS)に移行することが多い。
根本的な治療法、薬はなく、唯一効果があるのは、反応物から離れ距離を置くこと、極力暴露(ばくろ)を避けること、だった。
つまりそれは、「家」がその反応物であった場合、患者となった者はその「家」を捨て、出てゆくしかない、ということを意味していた。
母と息子は、新築の家を出て、古い借家に移った。苦しい日々が、ずっと続いている。
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