北里病院・さっぱりわからん!検査編

4-7 ヤラれているのは脳なのだ

たとえばシックハウス症候群の原因物質の一つであるホルムアルデヒドは、脳の大脳基底核(だいのうきていかく)という神経細胞の塊みたいなところの、さらにそのなかの淡蒼球(たんそうきゅう)という部位に障害を起こすという。

また塗料や接着剤に含まれるトルエンは、耳より後ろで、ちょうど首のつけ根の辺りにある小脳に影響を及ぼす。

大脳基底核・淡蒼球と小脳はいずれも、身体の運動機能をコントロールしているところだ。運動、というと何だかスポーツのようだが、そうではなく、姿勢の保持、筋肉の動かし方の調節、動作をなめらかに行うようにする、などのごく基本的動作を指す。つまり私たちの日常における、ごく普通の動作、身体のふるまいの調節を行っているところなのだ。

そこがやられている。化学物質によって、機能障害を起こしている、わけなのだ。

次に行った、立体図形の上にじわ~と影が浮かんでくる検査。あれは「コントラスト感度検査」という。

化学物質過敏症患者の場合、健常者に比べ白と黒のコントラストを見分ける感度が、落ちるのだという。これは視力の問題ではなく、やはり脳の問題だ。

コメント

  1. ちぇろちづ より:

    以前のコメントにご丁寧な返信ありがとうございました。なかなかコメントできませんが、いつも更新楽しみにしてます。
    北里大学編、大変興味深く拝見しております。北里大では今はこの診療をしていないとのことでびっくり。CS患者さんの受け皿的な病院が増えていればいいのですが、どうなのでしょうか。小林さんの署名もお手伝いさせていただきます。が、私が不注意で気付くのが遅れ、家族分しか集められませんでした。次回があれば友人にも声がけしますね。少しずつでも住み良い世界になるといいですね。CS患者さんたちにとっても、私たちにとっても。

    • 奥野井 タリカ 奥野井 タリカ より:

      コメント入れてくれた第1号のちぇろちづさん! 再コメント、ありがとうございます!ずっと読み続けて下さっていて、大変大変嬉しいです。
      そうですね。化学物質過敏症を受け入れてくれる医療機関は、減る一方なんです。北里病院が閉鎖になったとき、私は正直「あぁ…見捨てられたわ…」と思ったものでした。
      それまではどこかで、「北里病院がある」「北里がやってくれている」と心強く思っていたんですよね。なので何か、中心を失ったような、精神的支柱をへし折られたような、そんな気がしました。ショックでした。
      署名をして頂き、本当にありがとうございました。大急ぎで御家族にも呼びかけて下さったとのこと、本当に感謝申し上げます。私ももう少し、早く知っていればよかったのですが…悔やまれます。
      ブログの方はまだまだ続きますが、どうぞこれからも、お付き合いくださいませ!

 
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