仕掛けられたうつ(chaptor1)

6-13 逃げ出したアパート

今日は一日中ほとんど家にいた。
というのも台風が来ていたからで。疲れてたし。

家にいてだらだらごろごろしていた。考えると暗くなる。
考えなければいいのだが人間そうもいかず。
なにか、あんまり考えてると違う世界へ行ってしまいそうで怖いのだ。
それもいいのかもしれんが。

今のこの気持ちのモヤモヤは、漠然としすぎていて言葉にすら出来ない。
ただ単に体調が悪いだけなのかもしれず。
具体的にはさして悪いことって本当何も起こってないんだけども。

最近は、自分が自分である、という自覚もスッとうすれてゆく。
自分がここに存在している自覚がうすれていって、一つの目だけになる。
(その目が外界を映すカメラになっている)
何かどんどん、自分が自分でなくなってくみたいな・・・
何もかもぼやぁぁぁぁっとしている
(95年9月17日)

なんかもう身体の方がボロボロですな。
疲れるし、肺のあたりまで痛い。
身体が悪いのか、心の方が悪いのか、今一つ判別出来ない。
医者に行った方がいいかもな
(同9月18日)

授業。たかだか2コマの授業で疲れ果ててしまうとは。
なんなんスっかねもう。吸が少し苦しい。肺が苦しい。
夜になると苦しくなる。明日医者に行こう。
あーもう全然いいことないわ、最近
(同9月19日)

そしてその翌日の9月20日、私は医者に行く代わりに、突如実家に帰ったのだった。もうここには住まない、住めないだろうと半ば思いながら。

当時の私は、何も知らなかった。化学物質過敏症のことはおろか、身の廻りの化学物質-環境科学物質-という観点そのものを、持っていない。情報ゼロ。だから何も知らず、何もわからない状態だった。ただただ、身体のあちこちに出てくるわけのわからない症状に、翻弄され引きずり廻されている、だけ。

しかしそれなのに、なぜかこのときふと、”あ、帰ろう。帰らなきゃ”と思ったのだった。ここは駄目なんだ、という理屈ではない、しかし強い確信が。何か、別のものが私の背中をすっと押したような、それに促されてそう思ったような、今思ってもそれは何か、不思議な瞬間だった。

第6章をイッキ読み
第6章の全文掲載完了に伴い、日々のブログ記事を1ページにまとめたイッキ読みのページをご用意させていただきました。 長文となりますがご興味をいただけましたら、お読みいただけましたら幸いです。
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奥野井タリカ 私の化学物質過敏症(CS)

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