じゃあどうする?どこへ逃げればいい?
東京M市のこの家はごみ焼却場が近くにあって駄目、でもN 県にある父の別荘だってりんご畑の農薬散布がある。
親戚の家ももう駄目だった。一度母の姉、叔母の家に居候させてもらったのだが、今度は水道水の塩素に激しく反応、とんでもなくひどいアトピー性皮フ炎に見舞われた。特に手の指の湿疹が物凄く、痒いの痒くないのってもう。皮がずる剥けになり、2週間と経たないうちに両手は包帯でぐるぐる巻きに。ちょっと買い物に行ってもレジのおばちゃんに、
「あんた!その手どうしたん!?」
と驚かれる始末。そんなかんなでとうとうギブアップし撤退したのだった。関西に集中している親戚一同皆首を傾げ、
「あんたはまぁ、ほんまセンサイ(繊細)やねんなぁ」「あたしらドブの水でも平気なんやね」などと言われ少々悔しかったり。
それなのでもう「親戚の家」というのも駄目なのだった。悪いけど私には、淀川水素の水(の塩素処理)はあかんのです。
あっちも駄目、こっちも駄目。行くところがない。逃げる先がない。じゃぁどうするんだ?どこへ行けばいいの?
ろくに働かない頭をギュウギュウ絞って考えた。いつもならここらで、考えるのを放棄し現実逃避に走るところだった。しかしもうそれは出来ない。ここで諦めるわけにはいかないのだ。絶対に諦めるわけにはいかない。
どこか、どこか、どこか!ないか…!!
と、一つだけ浮かんできた。私は母に、
「ねぇ、N県のMさんのペンション、ほらK村の。あのペンションの隅っこの部屋にでも、何とか置いてもらえないかな?」
父の別荘がある同じN県に、父の旧い知り合いの人がペンションをやっていたのを思い出したのだ。登山やスキーで有名な観光地で、だから田畑や果樹園も少ないんじゃないだろうか?
「う~ん、でもM さんとパパ、以前仲違いしてそれっきりよ。それにペンションだから、来たお客さんが煙草だって吸うだろうし夏なら蚊取り線香やベープマットだって焚くわよ。ちょっと難しいんじゃないの?」とズバズバと母は言う。
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