北里病院へ、行った話<奇妙な診察編>

5-12 すぐに始まった被害

しかし、4月に本格操業を開始すると、その直後から被害が出てくる。

井草森公園で遊んで帰って来た子どもが、帰宅30分後に急にまぶたが腫れ上がり、咳、鼻水、目やになどの症状がかなり長期間続いた。

スーパーに行くため、公園沿いの道を歩いていた女性は、突然喉に強い刺激空気を感じ、気持ち悪くなり、しゃがみ込んでその場で嘔吐。慌ててまた来た道を引き返した。

公園の南門近くでタクシーを下りた女性は、急に口中に苦い空気を感じ、ついで頭と胸に何ともいいようのない、「衝撃的苦悶」を感じた。そしてその翌日から、声が出ない、喉の腫れ、嚥下痛、口の中が腫れて痛い、止まらない咳、頭の朦朧感、ふらつき、血圧急上昇、歩行困難、等に陥った。

中継所が稼働を開始して、1ヶ月が過ぎた5月に入ると、中継所に近い住民から口々に、「喉が痛い、口中が痛い」「咳が止まらない」「全身がだるい」「風邪のような症状がずっと続いて治らない」という声が多く上がってくる。近隣の病院では患者が急増し、薬局では「喉のトローチ剤がよく売れます」といった状況に。

共通しているのは、「空気への違和感」だった。多くの住民が「空気の異常さ」を感じていた。そしてそれがより強く感じられるのは、井草森公園と公園周辺の道路、というのもまた多くの声で一致していた。

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