北里病院へ、行った話<奇妙な診察編>

5-16 離れると消えてゆく症状

多くの住民が、杉並中継所から流れてくる「異常な空気」、汚染空気の存在を感じていた。そしてこの汚染空気の状況、その濃度によって、症状が出たり引いたり、激しくなったりやや軽くなったりすることにも、はっきりと気付いていた。

平成11年(1999年)の8月に実施された、健康被害調査アンケートがある。市民が自発的に行ったアンケート調査で、対象は杉並区民と練馬区民。85項目からなる症状リストの中から、該当する症状を挙げてもらう、という形式のものだ。

症状リスト項目の中の、「外泊など外出が長いと体調が良くなった」にマルを付けた人は、全解答者数340人中106人。約3分の1に上った。(『新しく始まった揮発性有機化合物汚染の実態-不適切なプラスチックごみ施設杉並中継所(杉並病)問題をふまえて-』 化学物質による大気汚染を考える会編 2007年8月発行 創英社 P10~67より)

「今度具合が悪くなったら、病院に行くより旅行をすれば治るかも」「右手が痛くて動かせなくなっていたのに、京都に一泊したら、帰りの新幹線の中で何ともなくなっていたのに気が付いた」「4月に沖縄へ旅行に行ったら、じんま疹の薬を持ってゆくのを忘れていたのに、結局一度もじんま疹は出なかった」
そんな声が、あちこちから聞かれた。

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