北里病院へ、行った話<奇妙な診察編>

5-22 インド・ボパール事件

ゆえに人体への影響も、相当に強い。わずかに吸引しただけでも、呼吸器系に障害が出る。気管支炎、喘息、より重症化すると肺が繊維化する肺繊維症や、肺の壁の細胞が炎症を起こす間質性肺炎になる。

激しい喘息発作を起こし、一晩で亡くなることも決して珍しくないという。実際インドでは、米国の農薬会社の工場から「メチルイソシアネート」が漏れ出し、一夜にして2000人以上が死亡し、その後数ヶ月でさらに1500人以上が死亡、15万から30万人が後遺症等に苦しむ、という大惨事が起きている。

1984年 インド·ボパール事件である。

事故後のボパール化学工場(2010年撮影)/ ©Julian Nyča (CC BY-SA 3.0)

この大事件をきっかけに、国際社会はイソシアネート類の規制に乗り出すことになった。が、日本では未だほとんど規制らしい規制は行われていない。

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