北里病院・さっぱりわからん!検査編

4-8 駆け抜ける脳内信号

ところで人間の視覚というのは、案外複雑に出来ているらしい。目で見たもの―つまり眼球レンズに写った像を、「あ、これね」「この人ね」と理解するのに、脳の三ヶ所の部分が連携する必要がある。

目で見た像は、神経の信号となり、まず後頭部にある視覚中枢へ送られ、そこから頭の側面にある側頭部(そくとうぶ)に送られ、最後に頭の前面にある前頭前野(ぜんとうぜんや)に行く。その間わずか0.2秒。

目で物や人を見た瞬間から、その信号はもの凄いスピードで脳の中を、バシバシーッと電光石火の如く駆け巡っている、わけである。うーん凄いですねぇ。

それで話を戻すと、化学物質過敏症の場合、この最初に目から信号が送られる視覚中枢のところに、問題がある。機能障害に陥っているのだ。だから白黒コントラストの認識が、遅れる。視力の問題ではなく「脳の問題」というのは、そういうわけだ。

「奥野井さんは、この検査での異常はありませんでした」と医師の先生。あ、やっぱりね。

コメント

  1. トムキャット より:

    最近のブログの内容が医学的理論が多くなり難しくなりつつありますね。数回の読み直しにより何となく理解できます。4月の初め頃のアメリカの博士の卵実験は興味深く読ませて頂きました。最近、学問的な文面に接することが少なくなったので良い刺激と考え頑張って読破したく。
    勝手ですが、当方の出来の良くない紀行文を郵送しまくりますので宜しく。
    トムキャットニャンより

    • 奥野井 タリカ 奥野井 タリカ より:

      トムキャットさん!お久しぶりですね。その後、リハビリの具合はいかがですか?コメントをお寄せ下さり、本当にありがとうございます!
      医学的な話が多くなってきて…そうなんですよね、だんだん話がしちメンド臭く(笑)なって参りました。スミマセン!
      化学物質過敏症患者でありながら、実は私は長年、自分の病気のメカニズムには、とんと興味も関心もなかったんです。出てくる過敏症状に対処するのが精一杯、だったので。
      なんですが、あるときハタと「あれ? 実際のところ、この体の中で何が起きているんだ?」と思ったんです。こんなに長年、この病気に苦しめられてきたのに、私何も知らないぞ? と。
      それで、あれこれ調べ始めたのがきっかけで、今や「CSオタク」となりつつあります(笑)
      でも、自分の身体と病気が「ブラックボックス」だった頃より、ずっと気持ちはラクになりました。不思議なものですね。
      これからますます話は入り組んで、しちメンド臭くなってゆくのですが、どうぞおつき合いのほど、よろしくお願いします!

 
タイトルとURLをコピーしました